日本人のためのプレゼン講座 -Presentation Educataion for All Japanese-

筆者が米国大学留学、外資系企業勤務、起業して会社経営を経て学んできたプレゼンテーション上達や練習法のノウハウを配信しています。

説明で人は動かない。プレゼンは人の感情を動かすことが重要

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プレゼンを説明口調で進行する人は非常に多いと感じています。これには「自分に課せられた役割は決められたセリフを話すこと」「分かりやすく説明をして理解してもらうこと」を目標設定しているためでしょう。プレゼンターが「このシステムを導入することで業務効率化につながり、労務費が10%削減できます」といった具合に説明口調になってしまうこのためです。

 

もちろん、こうした説明口調が必要なシーンは存在します。例えば会社で役員に財務報告をする場合などです。財務報告を聞く社長や役員は会社の業績報告を数字で聞き、経営判断を行うために、「多い、少ない」といった抽象的な表現ではなく数字で説明する必要があります。しかし、社員のワーク・ライフ・バランスの重要性を伝える場面などではどうでしょうか?「業務効率で人件費を10%削減できる」という説明をしてもワーク・ライフ・バランスの本質は伝わりません。

 

 

こうした場合はスライドいっぱいに「残業続きで辛そうな社員→退社後にしっかりリフレッシュして笑顔で仕事」、に変化するイメージ写真を見せながら「業務効率化により10%の人件費削減を見込んでいます。メリットはコスト面だけでなく、ワーク・ライフ・バランスの実現によりこれまで夜遅くまで残業をしていた社員が定時で帰ることができ、家族と過ごす時間ができることで仕事への英気と気力回復につながり、オフィスも明るい雰囲気に変わります」といった具合に伝えるのはいかがでしたでしょうか?「みんなが元気に気力の充実した明るいオフィス環境は大切だな」と社長に思ってもらえるのではないでしょうか。

 

説明に終始する、感情に訴えるだけのどちらか一方で終わらせるのではなく、大切なのはそのバランスです。人は論理や効率だけでなく感情で動く性質を持っています。かつて経済学では「人は経済的に合理的な行動を取る」と言われていましたが近年では行動経済学という言葉も生まれ、「人や経済は感情で動く」ということを真剣に研究されているのです。

 

プレゼンでは感情を持った人を相手にしています。徹底的に数字と論理で固められたプレゼンでは人を変えることは出来ません。ぜひプレゼンにあなたの感情を乗せて、写真や音声を織り交ぜながら人の心をつかんで離さない素敵なプレゼンを目指してください。