日本人のためのプレゼン講座 -Presentation Educataion for All Japanese-

筆者が米国大学留学、外資系企業勤務、起業して会社経営を経て学んできたプレゼンテーション上達や練習法のノウハウを配信しています。

相手の耳を開くにはどうしたらよいか?まずは意識をさせることから全てが始まる

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(相手の耳を開かせることは簡単ではない。まずそれを知ること)

 

人は意識の変化やその時の気分で同じ風景を見ても違ったようにみえる特性があります。あなたにも海外旅行に行くことを決めた途端に町中の英会話教室や旅行ガイドブックの情報が目に飛び込んでくるようになった経験はありませんか?「意識させる」ということは出来事を瞬間的に他人事から自分事に変化させることをいうのです。人は他人事には興味を示さないが、自分事にはとても強い興味と関心があります。

 

まず、リスナーは基本的に自分に関係のない他人事話には興味を持たないと考えて下さい。あなたがどんなに素晴らしい話をしても「自分には関係ない」と思われればまったく耳に入れてもらえません。そのため、相手に興味を持ってもらい、あなたの話しを聞いてもらうにはまずリスナーに意識させて他人事から自分事へ変化させる必要があります。

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想像している以上に効果絶大!リスナーへの問いかけをしていますか?

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ディスカッション、スピーチ、プレゼン、ディベートなどコミュニケーションには様々な種類と役割があります。大勢のリスナーを前に自分の主義主張を伝えるプレゼンとスピーチ、その違いをあなたはご存知でしょうか?

 

スピーチ:言葉や身振り手振りだけで自分の主義主張を一方的に大衆に伝える。
プレゼン:言葉やジェスチャー、スライドや小道具など使って自分の主義主張をリスナーと対話する。

 

という違いがあります。そのため、時々見られるプレゼンの場でスピーチのように言葉だけで一方的に話をするのは間違っているといえるのです。スピーチ、プレゼンにはそれぞれ役割がありますが、プレゼンをするべき場ではプレゼンになるようリスナーとの対話をするようにしましょう。そうでなければリスナーはあなたの話に飽きてしまい、チラチラと時計に目をやり「早く終わらないかな…」と感じさせてしまいます。あなたも興味のない話を一方的にまくしたてられたら同じように感じるのではないでしょうか?それをプレゼンでやってはいけないのです。

 

それではどうすればリスナーに伝わり、飽きさせないプレゼンができるのでしょうか?スライドや小道具も一役買ってくれますが、最も簡単で即効性があり、強力に力を発揮するのは「リスナーへの問いかけ」です。リスナーに伝わっているかおかまいなしに一方的に話すのを止め、ぜひリスナーに語りかけをしてみてください。「あなたはこれまで100人以上のリスナーの前で話をする自分を想像したことがあるでしょうか?」「デザインは生まれ持ったセンスが必要で、難しい専門の勉強が必要と思っていませんか?」「この中で海外の大学に留学した経験のある方はいますか?」といった具合です。これだけでもリスナーは強い興味を引かれ、あなたの話に引き込む力を持っています。

 

リスナーへの問いかけはこれから核心に触れる話をするタイミングで特にリスナーの注意を引くのに効果絶大です。例えば「地球温暖化は嘘で、エコをビジネスに利用しているといったらあなたは信じますか?」とリスナーに問いかけ、その主張の裏付ける写真やグラフを見せながら話をすることを想像してみてください。リスナーは「これまでエコは地球に優しいと聞いて育ったのに、それが嘘だって!?」と身を乗り出すほどに興味をそそられても不思議ではありません。

 

プレゼンターであるあなたにとっては「1対多数」のように感じられるかもしれませんが、リスナーに語りかけるようなプレゼンを聞いているリスナーにとっては「1対1」であなたと対話しているような感覚でいます。だから問いかけをすることあなたが想像する以上に大きな効果があります。

 

友人や恋人との会話で相手に質問を投げかけると会話がとても盛り上がりませんか?プレゼンもそれと同じです。さっそく試してみましょう!

あなたは自分のためではなくリスナーのためにプレゼンをできていますか?

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時々「暗記したセリフをミスをしないように頑張って話しています!」というのが伝わってくるようなプレゼンを見かけます。とにかくミスをしたくない一心からか余裕なく必死に話す様子で、そうしたプレゼンはいつも「面白くない」「印象に残らない」「何を言っているのか伝わってこない」と感じます。あなたはリスナーのためにプレゼンをできているでしょうか?

つまらないプレゼンになる理由は簡単です。それはプレゼンの目的を「リスナーのため」ではなく「自分のため」に設定しているためです。こうした思考はとにかくマイナスポイントを避けることに集中しがちで、セリフを間違えずに無難にこなすための練習を重ね、その結果誰の印象にも残らないつまらない仕上がりになってしまうわけです。特に学業や仕事で成果をあげている優秀で高学歴な人によく見られる傾向です。

 

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「準備不足です」「緊張しています」は絶対に言ってはいけないNGワード

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あなたはプレゼンにおいて絶対に口に出していけないNGワードがあるのをご存知ですか?それはプレゼンの開幕直前に「忙しくて準備不足の部分もありますが…」「とても緊張しています」「時間がないので早口になるかもしれません…」といった言い訳がましいセリフです。

 

プレゼンで重要なのはテクニックや知識、経験以上に「マインド」です。自らの主張や意見、アイデアを発信することでリスナーに有益な時間を提供するあなたは「舞台に立つからにはリスナーの期待を超える価値を提供するんだ!」という強いプロフェッショナルマインドを持つ必要があります。「無理やりプレゼンターに指名された」「仕事や学業のためにやっている」といったあなたを取り巻く諸事情はリスナーに全く関係ありません。

 

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説明で人は動かない。プレゼンは人の感情を動かすことが重要

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プレゼンを説明口調で進行する人は非常に多いと感じています。これには「自分に課せられた役割は決められたセリフを話すこと」「分かりやすく説明をして理解してもらうこと」を目標設定しているためでしょう。プレゼンターが「このシステムを導入することで業務効率化につながり、労務費が10%削減できます」といった具合に説明口調になってしまうこのためです。

 

もちろん、こうした説明口調が必要なシーンは存在します。例えば会社で役員に財務報告をする場合などです。財務報告を聞く社長や役員は会社の業績報告を数字で聞き、経営判断を行うために、「多い、少ない」といった抽象的な表現ではなく数字で説明する必要があります。しかし、社員のワーク・ライフ・バランスの重要性を伝える場面などではどうでしょうか?「業務効率で人件費を10%削減できる」という説明をしてもワーク・ライフ・バランスの本質は伝わりません。

 

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あなたが生きた人生は、他の誰かの人生を救う

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(人生は短く、人は風のように去っていく…しかし、あなたが生きた人生はとても価値のあるものなのです)

 

諸行無常、世の中の商品やサービス、そして人は次々と表れては消えていく儚いもの、宇宙という大きな枠で考えると人の人生はとても短い一瞬のきらめきです。そのきらめきの中で生きる私たちは誰しも生きてきた証を後世に残したいと考え、その証とは仕事であったり芸術だったりと様々です。

 

しかし、どのような形態を取っていたとしてもそれらはすべて「人の意思」が形になったものです。例えば私たちの目の前で輝いている白熱電球は、エジソンが生涯をかけて生み出されたものです。私たちが生きる社会は過去に生きた祖先の生み出したアイデアで作られています。しかし、だからといって私たち全員がエジソンのような発明家である必要はありません。あなたが見ている風景、考え方、価値観を世の中に発信することでまだ見ぬ誰かの人生に大きな影響を与える可能性を秘めています。それは無形の「発明」といえるのです。

 

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人の想いを伝える手段に「プレゼン>動画」の優位性は変わらない

f:id:tkurosak:20151128091335j:plain個人のアイデアや価値観を発信する力が重要度を増す現代、いまやインターネットで誰でも簡単に自分の想いを配信することができるようになりました。動画は視覚、聴覚で沢山の情報を伝えるメディアであり、あたかも「動画は万能」のように思われています。

 

しかし、私は人の想いを伝える手段として動画は依然としてプレゼンに遠く及ばないと考えます。ネット動画配信全盛期の現代ではプレゼンで想いを伝えることの重要性は以前にも増していると考えています。

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